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かって、
大学病院の勤務医時代に
どういう「ツテ」で話がきたのか
よくわかりませんが、

宗教団体の
霊山への登山修行に
同行するという
「アルバイト」をしたことがあります。

登山前日の夜に
電車を乗り継いで霊山のふもとの
お寺に行き、宿泊。

「せんせー、ご苦労様です」と
迎えられ、この時はたしか
ビールも頂きました。

翌朝は4時すぎに朝食で
5時出発。

白装束の信者の方々とともに
行列の最後尾を
「強力(ごうりき)さん」とよばれる
荷物をかついでくれる方々と
いっしょに山を登って行きます。

信者の方々の中には
ご高齢や持病を持っているかたも
いらっしゃるので、途中で何かあっては
いけないということで「医者」が
同行するわけです。

お念仏を唱えながらの
大行列。

途中、前の方から
「先頭集団に気分が悪い方あり」との
伝言があったりするから大変です。

何しろ400名からの
団体ですから、行列の最後尾から
先頭まで、医療器具を持った
「強力さん」と一緒に数百メートルを
駆け登らなければいけません。

いや、本当に息が切れて、
こちらの方が具合が悪くなりました。

山頂では信者の方々は
「ご開帳」やら「集会」がありますが、

ドクターフリッカーは
別室で「靴擦れ」や「足のつった」方々の
お手当てでてんてこ舞いでした。

先ほどの「気分が悪い方」は
なんと、「ニトログリセリン舌下錠」を
ご持参で、ご家族にも内緒で
参加されているとのこと。

マジですか。

心電図もありませんし、
もしもの場合は団体の幹部の方に
「ヘリコプター」を要請してもらうように
お願いしました。

いや、大げさなようですが、
ここで何かあっては大変です。

二泊目の夜は、その患者さんというか
信者のかたが心配で、
野菜の天ぷらとタクワンの
せっかくの「精進料理」ものどを通らず、
点滴をしながら1時間おきに
血圧を測らせていただきました。

朝はみなさん、4時に起きて
「ご来光」を拝むそうですが、
ドクターフリッカー、
覚えがないので寝ていたのかも知れません。

最終日、三日目の朝は
朝食を食べて早々に下山。

登るときの「気分が悪い方」も
「強力さん」に背負ってもらって、

「ヘリコプター」を要請することなく
無事に降りてくることが出来て、
心底ほっとしたものです。

今考えると、
修行に行かれる方々に同行して
「アルバイト」というのも
「バチ当たり」な気がしますが、

帰りの電車のなかは
ホントに疲れきって
「もう行きたくない」と、これまた
「バチ当たり」な気持ちに
なってしまいました。

いや、「修行」は大変です。

2009.08.07 Fri l 思い出 l COM(3) TB(0) l top ▲