ドクターフリッカー

「de novo」B型肝炎が
注目されています。

「de novo」とは
ラテン語で「再び始まる」
という意味。

映画タイトル風に言えば
「B型肝炎の逆襲」
と言ったところでしょうか。

ウイルスはB型肝炎ウイルスに限らず、
ひとたび、感染すると
容易なことでは身体から
出て行きません。

子どもの頃にかかった
「水ぼうそう」のウイルスが
何十年も経ってから
「帯状疱疹」として「復活」することは
よく知られています。

過去にB型肝炎ウイルスに感染した方、
はっきりと肝炎になっていなくても
身体の中にB型肝炎ウイルスが
入ったことがある方は

肝細胞の遺伝子の中に
B型肝炎ウイルスの遺伝子が
組み込まれるのです。

でも、今までは
ウイルス遺伝子のかけらが
肝細胞に残っていても
肝炎を起こさない程度なら
問題視はされていませんでした。

こうしたB型肝炎ウイルスの
過去の感染者は血液検査でも
ウイルスの存在を示す
HBs抗原や遺伝子検査で陰性だからです。

でもウイルスは肝細胞の中で
密かにその遺伝子のかけらを
作り続けてます。

一方、医学が発達して
今まで治らなかった白血病や
悪性リンパ腫と言った病気も
抗がん剤や免疫を抑制する薬の
進歩によって治療が期待出来るように
なってきました。

さて、ここで厄介なのが
身体の中に密かに残っていた
B型肝炎ウイルスのかけらです。

抗がん剤や免疫抑制剤によって
身体の免疫の働きが低下すると

それっとばかりに、かけらから
一気呵成にウイルスが大増殖して
劇症肝炎になる危険性があることが
分ってきました。

「B型肝炎の逆襲」、
「de novo」B型肝炎の脅威です。

抗がん剤や免疫抑制剤は
白血病や悪性リンパ腫のみならず
近年、発達著しい臓器移植や
関節リウマチなどの自己免疫疾患などにも
その使用範囲が広がっています。

B型慢性肝炎の患者さんは
B型肝炎ウイルスの存在が明らかですから、
こうした薬を使用するときには
あらかじめ抗ウイルス薬を予防的に
服用します。

しかし、自覚症状のないまま
B型肝炎ウイルスが肝臓に
潜んでいる場合、

そうとは知らずに
抗がん剤や免疫抑制剤を
投与すると大変危険です。

現在は抗がん剤、免疫抑制剤の
処方時に過去のB型肝炎ウイルス感染を示す
HBc抗体の検査を行うことが
ルーチンとなりつつあります。

医学の進歩で
浮上する新たな問題点にも
足元をすくわれないようにしなければ
いけません。



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2012.04.09 Mon l 医療 l COM(1) TB(0) l top ▲

コメント

初めまして
昨日、父が「de nobo肝炎」と診断されました。
ずっと熱が下がらず、初めは風邪では?の診断。
血液検査で、肝機能の数値が悪いとのことで
肝臓内科という科を受診し、様々な検査後に
B型のキャリアと言うことも発覚。
HBVの再活性化とのことでした。
離れて暮らしていますが、金曜日に何とかして
実家に帰り、詳しい話を聞いてこようと思います。
80才、未だ現役で土建屋の社長をやってます。
また、現場に立てる日が来るのを祈っています。
わかりやすいお話でした。有り難うございました。
2012.04.24 Tue l さくま. URL l 編集

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