ドクターフリッカー

医師会からの要請で、
医者としての診療以外に
地域の健康保健活動に
参加することが多々あります。

学校医としての健診や講演、
地域ケアプラザでの活動や
ミニフォーラムなどもそうです。

先日、そうした活動の
途中で体調を崩された方が
いました。

本来、医療行為を
行う場ではありませんが、
医者ですから、
施設の方に診て頂けませんかと
言われれば、当然診察はします。

腹痛、と言うことですが
お腹は軟らかく、筋性防御、反跳痛は
認めません。

いわゆる、腹膜炎の兆候には
乏しいということです。

瞼の結膜に貧血は認めず、
熱もなく、血圧計はありませんが
脈や意識もしっかりしています。

痛みのせいか、やや過呼吸気味。

嘔吐はなくその日はお通じがないようで
胃腸炎かも知れませんが、
年齢などから虫垂炎の初期も
否定は出来ません。

早く受診した方が良いですが、
救急車を呼ぶ緊急性はないと判断。
何故なら、幸い、平日の昼間なので
どこの医療機関もやっている時間。

ご家族を呼んでかかりつけ医を
受診するようにとスタッフに伝えました。

ところが、もとの仕事に戻っていると、
最初に相談に来たスタッフが
いつの間にかいなくなりました。

地域の保健活動は
施設のスタッフと医者が協力して
行わないと、なかなか円滑に進まないので
大変困る事態になりました。

後で聞くと、腹痛の方、
施設長命令でなんと「救急車要請」となり、
そのスタッフが同乗して行ったそうです。

自分が診た後に、
急に容態が悪化したのかと心配しましたが、
別にそういうわけではないようです。

診て下さいと言われ、
お腹を診察して緊急を要する事態ではなく、
速やかに「通常受診」を勧告したわけですが、

腹痛のお腹を触ってもいない
施設長の何とかの一声で「救急車要請」。

「救急車」をタクシー代わりに
使っているとは言いませんが、
これではなんのために
自分が診察したのかわかりません。

腹痛の方は救急病院で
「急性胃腸炎」の診断。
歩いて帰宅です。

大事にならなくて良かったですし、
施設のトップは施設長ですから
いろいろな難しい判断もあるでしょう。

それはよく分りますし、
結果論でことの良し悪しを議論する
つもりもありません。

しかし、診療を要請された
居合わせた医師としては
一定の責任をもって患者さんの
診察を行い、診断を下しているわけで、

どうしてもと言うなら
せめて、施設長から
「救急車を呼ぶことにしました」と
一言、あってもしかるべきかなとも
思いましたし、

スタッフが同乗していくことで
本来の保健活動に影響が出ることなど
についてもその時点で
こちらにもコンセンサスが欲しいところです。

腹痛の方が大事に至らなかったこと。
これは本当に何よりです。



↑↑共感して頂けたら、クリックお願いします。
2012.04.28 Sat l つぶやき l COM(1) TB(0) l top ▲

コメント

No title
ちょっと田舎の検診のとき、林間学校に来ていた小学生男子の腹痛を診てくれといわれましたが、スタッフは、このようなことで来ているのではないので、”先生診ないで下さい” といわれました。学校の先生にこの由お話をし、たまたま通りがかったので、診ましょう、ということにして、問診、診察開始。ホームシックによる腹痛でした。走って、飛び跳ねながら皆のところに帰っていきました。救急車の手配を急遽キャンセルしたようです。
立場が違うといろいろ面倒なことを考えなきゃいけないのですかね。その点、医者は具合の悪い人を診察するのに時と場所をいちいち考えなくともいいのですね。
2012.05.01 Tue l きらきら星. URL l 編集

コメントの投稿












       

トラックバック

トラックバックURL
→http://fleaflicker.blog120.fc2.com/tb.php/1537-e1459b72
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)