ドクターフリッカー

15年ほど前に雑誌に載った
「症例報告」の論文のことで
同じような症例を経験された先生から
メールを頂きました。

雑誌の載った論文の
筆頭著者は自分ではなく後輩のO先生。

O先生の上司と言いますか、
指導医の立場で一緒に患者さんを受持ち、
その経過に学問的な価値があったので
地方会で報告した後、論文にしたのです。

O先生は、良く言えばこだわりが強く、
悪く言えば要領が悪いドクターでした。
とにかく何をするにも時間がかかるのです。

ですから、臨床でも学会でも
O先生にはかなり厳しく「指導」しました。

臨床経過を「症例報告」にする際、
自分はO先生に言いました。

「ただ入院してからの経過だけでは
 面白くも何ともないんだぞ。

 10年前に他の病院に一回入院して、
 その後、自然寛解していたことが興味深いんだ。

 論文にするのならば、前医の入院時と
 その後の外来のデータを見せてもらって来なさい」。

言ってみたものの、
O先生はそこまでやらない、出来ないだろうと
思っていました。

ところが、前の病院の主治医にアポイントを取り、
研究日を使って訪ねて行き、必要なデータを揃えてきました。
きっと、O先生にとっては大変な作業だった筈です。

せっかく、そこまでやったならば、
何としてもイッパシの論文にしなければと
ムチを打つようにO先生の尻を叩いて
「症例報告」を仕上げて
国内では有名な雑誌に受理されました。

その論文は度々、他の論文にも引用されています。

事実、今回も15年も昔の「症例報告」を見つけて下さった
他施設のドクターからわざわざメールを頂きました。

やはり、しっかり形にしておくことは
何年経っても後ろの世代のお役に立つのだと
O先生との悪戦苦闘の日々を思い出したわけです。

今は家業を継いでいるO先生にとって
あの頃の厳しい日々が少しは役に立っているのか
それとも、苦しい思い出だけだったのか・・・。

そこら辺がちょっと心配です。



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2013.09.27 Fri l 思い出 l COM(0) TB(0) l top ▲

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