ドクターフリッカー

小春日和のある日曜日、
新聞に入っていた分譲マンションの折込広告。

まだまだ貯金も足りないし、
小学生になったばかりの娘にもお金がかかる。

そう思ったAさんは
冷やかし半分の軽い気持ちで奥さんと娘さんと
散歩がてらにモデルルームに行ってみました。

当分、マイホームは無理と諦めていたAさん。

でも、モデルルームの
カウンターキッチンやしゃれたリビングで
うれしそうな奥さんとはしゃぐ娘さんを見て
ローンの仮審査を受ける決心をしました。

しかし、結果はダメでした。
AさんはC型肝炎で通院していたのです。

夕食の時、
「いつ、お引越しするの?」と
無邪気に笑う小学1年生の娘さんをみて
不意に涙があふれ出たAさんは
箸を落としてしまったそうです。

今から20年前、1995年の秋のことです。

小学生だった娘さんも
来年には結婚が決まりました。

C型肝炎は2回、
インターフェロンで治療に挑戦しましたが、
ウイルスは消えませんでした。

治療のための通院や入院のために
仕事のことも家庭のことも
多くのことを犠牲にして来ました。

奥さんや娘さんも
一緒に頑張ってきたのです。

今、還暦も過ぎたAさんですが、
片時もC型肝炎のことを
考えないときはなかった20年間でした。

今でも、あの夕食の時に
泣いてしまったことが夢にでるそうです。

Aさんは、この秋から
飲み薬でC型肝炎の治療を始めます。

「もう、歳だけどさ。
 家内や娘にも心配かけたし、
 これから元気になって、もう少し頑張りたいよ。」

20年間のいろいろな思いを込めて、
AさんはC型肝炎の「治癒」を目指しています。

このお話はフィクションです。念のため。



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2015.10.24 Sat l つぶやき l COM(0) TB(0) l top ▲

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