
高熱で来院された患者さん。
咽喉も鼻もすっきりしないし、頭痛もするとのこと。
何より、熱が出てから食欲が全くなくて
胃も痛むのがつらいと訴えられます。
大勢の発熱の患者さんの中のおひとりと
流れ作業のようにインフルエンザ迅速検査を行います。
しかし、結果は陰性。
それでもなお、この時期だから風邪の薬と一緒に
タミフルも処方していた方が良いかななどと思いながら、
高熱と胃痛がほぼ同時期に出現していることが
妙に気になり始めました。
いや、待てよ。もしや・・・。
胸騒ぎを抑えながらお腹にエコーを当てると、
痛いとおっしゃっている場所と一致して
肝臓の中に辺縁が不整な低輝度領域が描出されます。
おっと、肝膿瘍じゃないか。
発熱とインフルエンザの患者さんが
まさにけた違いに多いこの時期、
先入観にとらわれず、落とし穴に落ちないように
ますます慎重な診察が必要です。
患者さんは高次病院に転送。
無事に膿瘍のドレナージをして頂きました。


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