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大学勤務時代、
高くもない給料を無駄に浪費していたせいで
「開業資金」と言えるような貯金は
全くありませんでした。

父の診療所を継ぐ訳でもないのに
別のところで開業するから
金を貸してくれと親にはとても言えません。

コンサルトのA氏に
「とにかく別のところで開業するにしても
 先立つものがないのです」と正直に言いました。

「先生、心配いりません。
 国民生活金融公庫に申請して
 独立開業資金を借りれば良いのです」と
いとも簡単に言うではありませんか。

当時はまだ子どももいなかったので
夫婦二人の気楽な暮らしでしたが、

自宅のローンで汲々としているのに
これ以上借金をしてだいじょうぶかと
心配は募るばかりです。

「診療圏調査では1日30人以上の
 外来が見込めるので、だいじょうぶです。
 借金は数年で完済できますよ」と
まるで雲をつかむような話でしたが、

気が付けばすっかりレールに乗り、
先代の院長との面接にまで至っていました。

小さい声で話される先代の院長と
A氏を交えて話しているうちに

現状の設備はそのまま譲渡するが
継承権にはいくら費用がかかるかなど
話はかなり具体的な内容に及んでいます。

いや、まだ開業を決めた訳では・・・と、
ぐずぐずしているうちに国民生活金融公庫にも
借入申込書と開業計画書を提出することになりました。

「現状の設備がそのまま使えるのであれば
 かなりの経費削減になるから、いい話かな」

その時は、ほとんどの設備を
入れ替えなければならないことになるとは
夢にも思っていませんでしたが、

すでに小さな手漕ぎボートは
湾内から波の高い外洋へと漂流し
自力で港に戻ることは出来なくなっていました。



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2017.12.09 Sat l 思い出 l COM(0) TB(0) l top ▲

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