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わが国の
C型慢性肝炎の患者さんは
欧米に比較して年齢も高く、
そのため、肝臓の線維化が
進んでいる場合が多いので、
欧米でスタンダードである
治療が必ずしも最善であるとは
限りません。
悩ましいところです。
インターフェロン治療の
欧米の治療ガイドラインでは
対象患者さんの平均年齢は
40歳代前半。
そのため、治療効果に
関与する因子として
40歳未満であることが
重要だと記されています。
わが国では臨床試験の
段階ですでに対象患者さんの
平均年齢が50歳以上。
ですから、欧米では
インターフェロンが
効きにくいウイルスの場合、
治療4週から12週までに
血液中のウイルスが
消失しない例は中止も考慮し、
24週まで延長しても
効果がない場合が中止すべきと
推奨されています。
しかし、日本では
臨床試験で、たとえ、
血液中のウイルスが消失しなくても
肝炎の進展を抑止できるという
科学的根拠があるため、
血液中のウイルスの消失が
なくても長期に肝機能正常を
維持することは有用であり、
早期にウイルスが消えなくても
24週までに血液中のウイルスが
消失する場合は72週間まで
治療を延長することが推奨されています。
また、最近では
血液中のウイルス検査の
感度があがったため、
インターフェロン治療開始、
36週目までに血液中のウイルスが
消失すれば、72週間に
治療を延長することで
治癒率が向上するという成績も
明らかになり、科学的根拠として
認識されるようになりました。
こうした学会での
勉強は、大変興味深く、
診療を行っていく上や患者さんへの
説明に役立つことが多いのですが、
実際に仕事をしながら、
あるいは育児をしながら、
72週間もの間、治療を継続することは
並大抵ではありません。
治療のためとは言うものの、
本当に頭が下がる思いです。
ドクターフリッカーとしては
薬の量や治療期間は
減らすわけにはいきませんが、
通院にかかる時間や
心のご負担を少しでも軽減できるように
お手伝いをしなければと思います。