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初めて当直したのは
川崎市にあるO病院というところ。
50床くらいの小さな病院で
「救急車なんて来ないからさー。
8時ころ回診して、テレビみて寝てればいいから。
たまにはゆっくり、寝たいだろ。」
と先輩に頼まれて出かけました。
まだ、医師免許をとって
3ヶ月くらいです。
ボストンバックいっぱいに
薬とか救急処置の書いてある本を
持って行きました。
コンビニでおにぎりとコーヒーを買って、
7時ころ到着。
院長先生が待っていてくださいました。
「あ?。せんせー、当直?
ごくろーさん。
ウチはねー、救急車で来た患者は一晩
入院させて様子をみるからね。
よろしく。」
は?救急車で患者さん来るの?
と思っていたら、
来ました。
ピーポー、ピーポー。
どっかよその救急病院に行くのだろうと
思っていたら、
だんだん音が大きくなって、
ドプラー現象が起きる前に音が止まります。
ナースからお呼び出しの内線電話です。
おいおい、救急車来ないって言ってたじゃん。
処置室に行くと
患者さんを診る前に
まず一言、超ベテランのナースが
「ウチは一晩入院ですから。」
って、さっき院長先生から、聞きましたよ。もう。
患者さんは60歳くらいの女性。
夕方から頭痛と吐き気、嘔吐が続いているとのこと。
ご本人、話をするのもつらそうです。
っていうか、もうろうとしています。
医者言葉で言うと?-10のレベル。
あらら、血圧も高いご様子。
精一杯、落ち着きを払って、
「えー、今、何か、かかっていらっしゃる病気はありますか?」
とかなんとか、家族の方に聞きながら、
頭の中はフル回転です。
持ってきた本なんか見ているヒマはありません。
頭痛、意識障害と嘔吐。
「髄膜炎」?いや発症も急だし、これはもしや、
言わずと知れた「クモ膜下出血」では?
つたないドクターフリッカーの頭ではじきだされました。
そこで、また超ベテランナース。
「ウチは一晩入院ですから。」
って、マジかよ。おい。
それでも、恐いもの知らずで
「クモ膜下出血かもしれないので、
ルンバール(腰椎穿刺)の用意をしてください。」
とか言ってみましたが、
「針がありません。」
あー。もう話になりません。
「じゃあ、CTとるため、大学病院に転送します。」
「いや、困ります。院長から必ず入院させるように言われているんです。」
もう、侃々諤々です。
家族の方にも一応は説明しました。
「クモ膜下出血の可能性もありますが、
時間も遅いので、少しこのまま様子をみます。
今晩は私が当直なので、私が拝見いたします。」
ご家族。
さっきまでのドクターフリッカーとナースとの
やりとりを聞いていたのでしょう。
「はー。そうですか。
失礼ですが、先生のご専門は。」
専門なんてある訳ありません。
医者になって3ヶ月です。
この一言で大学病院に転送する決心をしました。
超ベテランナースは「ウチは一晩入院ですから。」
をくりかえし、院長に報告するだの、何だの騒いでいましたが、
ドクターフリッカー、かってにで救急車を呼んで
大学病院の救命センターに連絡して受け入れてもらいました。
やっぱり、「クモ膜下出血」。
緊急手術となったそうです。
首尾よく後遺症も残らず、回復されました。
O病院はドクターフリッカーは出入り禁止。
ま、あんなとこ頼まれても二度と行きませんが。
後日、ご家族がカステラを持って
大学病院までお礼に来てくださいました。
21年前の救急病院には
こんなところもあったのです。
ではなくて、こんなところばかりでしたね。
(今も変わりない?)
某幹線道路沿いには、「蟻地獄」と呼ばれるその道では有名な病院がありまして(今でもあります)、どんなに軽くても一晩どころか1週間、いやそれ以上退院できない。
医療の信用と質は医者自身で落としている部分もありますよね。
\(◎o◎)/
教えて欲しいです・・・・
こわいよ~