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C型慢性肝炎の治療、

telaprevirやboceprevirという
新しいプロテアーゼ阻害剤を
ペグインターフェロンとリバビリンに
併用する3剤併用療法の
臨床試験が着々と進んでいます。

プロテアーゼ阻害剤は
C型肝炎ウイルスの複製や組立に
必要な酵素であるプロテアーゼを抑制して
強力な抗ウイルス効果があります。

しかし、単独ではウイルスに耐性が
出来やすいために、治療早期に
ペグインターフェロンとリバビリンに
期間限定で併用することで
耐性ウイルスの問題が克服されつつ
あります。

近い将来、プロテアーゼ阻害剤が
加わった、3剤併用療法が
行われるようになるでしょう。

来年にも「健保適用」となり
現在のガイドラインも大幅に
見直されると思います。

リバビリンやペグが
登場したときと大きく違うのは、

宿主側、つまり患者さんの遺伝子、
IL28Bという領域の遺伝子の違いによって
インターフェロンの効果が異なることが
明らかになっていることです。

新機軸のプロテアーゼ阻害剤も
あくまで、ペグインターフェロンと
リバビリンとの併用の臨床試験の
成績が中心です。

インターフェロンを治療の
中心にある限りは、IL28Bの
遺伝子多型性が治療効果を
大きく作用するでしょう。

プロテアーゼ阻害剤は
これまでの標準療法と併用しなければ
なりません。

標準療法でウイルス減少に
効果のなかった患者さんには
どこまで、効果が見込めるのか
未知の部分が、まだたくさんあります。

効きにくいということが
分っていても治療するかどうか、
大変、悩ましい問題です。

一方、C型肝炎ウイルスの
RNA転写に必要なポリメラーゼを
阻害するポリメラーゼ阻害薬も
開発が進んでいます。

インターフェロンを使用しない
プロテアーゼ阻害薬と
ポリメラーゼ阻害薬を併用した
臨床試験も少しずつ慎重に始まっています。

これならIL28Bの遺伝子多型性も
問題ないかも知れません。

学会に行くと、つい5年、10年の
スパンで「病気の撲滅」を
考えてしまいがちです。

もちろん、長い目で「戦略」を練ることは
非常に大事なことですし、
そうでなければ人類はウイルスに
負けてしまいます。

C型慢性肝炎の治療は
無限の可能性を秘めていますが、
未だ、混沌としているのも事実です。

一人の患者さんにとっては
今、実際に自身に出来る治療は何かと
言うことが大切なのです。

それをを肝に銘じて、
「今日の診療」に臨まなくては
いけません。

2010.10.14 Thu l 医療 l COM(1) TB(0) l top ▲

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2011.09.01 Thu l . l 編集

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